女興行師 吉本せい
今年度後期のNHK朝の連続テレビ小説「わろてんか」主人公北村てんのモデルとされる吉本せいの本を読んだ。この本は,著者の矢島誠一氏が1987年に中央公論社より出版したもので,今回読んだのは新版。「わろてんか」の放映に合わせ,新版としてちくま文庫から出版されている。新版といっても,内容はほとんど変えていないそうだ。30年も前に書かれている本が,また脚光をあびたのは,すごい。
「わろてんか」の主人公てんを演じる葵わかなさんは,若いのに明るく良い演技をしている。最近では,寄席を買い,落語家の団吾のことで,家族や芸人のことを顧みない夫の藤吉のやり方に不満を募らせている。ドラマだと,この先どうなるのだろうと不安になってしまう。けれどもこの本を読んでいくと,吉本は大阪でたくさんの寄席を手に入れ,多くの落語家を所属させたことがわかる。
今テレビに出る吉本の多くの芸人が,「ヨシモト」のことをネタにして笑いをとる背景が分かった感じがする。
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