羽田八幡宮文庫展
先日,豊橋市中央図書館へ行き,「豊橋市文化財指定記念 羽田八幡宮文庫展」を見てきた。羽田八幡宮文庫は,1851(嘉永3)年に,羽田八幡宮神主の羽田野敬雄が中心となって設立した文庫で,往時所蔵する書籍は10000巻をを越えたという。書籍の管理のために,目録があり内容によって分類もされていたという。蔵書印が押され,書籍の閲覧や貸出もできたといい,まさに居間の図書館の先駆けともいえる施設であった。豊橋市図書館は,この羽田八幡宮文庫の旧蔵書を中心に,1912(大正2)年に開館している。
今回の展示会では,羽田八幡宮文庫の旧蔵資料の他,羽田八幡宮の神宝として宝庫に所蔵されていた「書翰」と「宸翰」が展示されている。書翰(書簡)とは,用事などをしたためて送る書状,手紙。また,宸翰とは,天皇・上皇の自筆の書状というから,驚き。重要文化財級の貴重な資料だ。
しおり(上の写真)にある,【織田内大臣信長公御書翰】「大和筒井順慶宛朱印状」は,信長に反旗を翻した松永久秀に対抗するために,大和郡山城主の筒井順慶に警備の指令をしたものだそうだ。冒頭の「惟任日向守」は明智光秀のことだという。まさに,大河ドラマ「麒麟が来る」の世界。また,下の写真の【豊臣太閤秀吉公御下知書】[羽柴筑前宰相他宛覚」は,宇喜多秀家や細川忠興らに,朝鮮出兵のときの備えをするように送ったものだそうだ。
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