黒船異変 ーペリーの挑戦ー
黒船異変 -ペリーの挑戦-「加藤祐三著 岩波新書1988年刊」を読んだ。姫街道の会の会長さんから紹介されて,楽天市場で中古本を購入。NHK大河ドラマ「青天を衝け」では,ペリーの役をモーリー・ロバートソンさんが演じて話題となったが,日米和親条約締結時のくわしい状況は,くわしく取り上げられてはいなかった。この本では,ペリー来航の事情と和親条約締結時の幕府側の対応がくわしく書かれていておもしろかった。
ペリーは,アメリカ大統領の国書を持って,1853年7月黒船4隻で来航した。アメリカ捕鯨船の漂流民の保護と,石炭補給,そしてアメリカとの通商を求めている。このときペリーは友好第一で,幕府側もきちんと対応した。2回目の来航では,互いに宴会を開き相手を接待し,緊張の中にも友好を深めたという。幕府は,大相撲の土俵入りや取り組みを見せたというのも,興味深い。戦争にならず,和親条約を締結した幕府の外交力は,評価できる。
エピローグでは,その後日米修好通商条約が結ばれたとき,蒲郡や新城にゆかりのある岩瀬忠震が,横浜開港を提案したことを記している。岩瀬忠震は非業の死を遂げている。彼のさらなる復権を願う。
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