
「同志少女よ,敵を撃て」(逢坂冬馬 早川書房2021刊)を電子書籍版で読んだ。この作品は,第11回アガサ・クリスティー賞大賞作品で,2022年本屋大賞も受賞している。
第二次世界大戦の独ソ戦で女性狙撃兵として戦ったセラフィマを主人公にした壮絶な小説だ。セラフィマが住むモスクワ近郊の村がドイツ兵によって攻撃され,セラフィマの母親を含む全員が惨殺された。セラフィマは,ソ連軍の女性兵士イリーノに助けられ,狙撃兵として成長していく。
小説の中には,独ソ両軍兵士による女性への暴行も描かれている。男の言葉で語られてきた戦争を,女性の視点で語る大作でもある。
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