琥珀の夏/辻村深月
琥珀の夏/辻村深月 文春文庫2023刊を読み終えた。エピローグまで含めて600ページ超の長編。辻村作品は,もう何冊目になるか? ちょっとした辻村深月ファン。
「琥珀の夏」は,ミライの学校という宗教団体の夏合宿へ参加したノリコと,ミライの学校で生活するミカの話。小4の時に参加したノリコは,合宿で心細い時を過ごしていたが,同年のミカに救われる。大人になり弁護士になっていたノリコは,そのミライの学校跡地から少女の白骨死体が発見されたというニュースを耳にし,それがミカちゃんではないかと思う。
「かがみの孤城」で不登校の少女の心情といじめ問題を扱ったミステリアスな展開にも通じる。
最近のドラマ,ハヤブサ消防団や相棒でもカルト教団が舞台になっていたが,このミライの学校にも同じにおいがする。この作品はすべてフィクションだが,舞台となっているミライの学校は,子供の自主性に任せるというが,人の心をコントロールするという感じでいやだ。
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