地中海世界の歴史1/神々のささやく世界
地中海世界の歴史1/神々のささやく世界 オリエントの文明(本村凌二著 講談社選書メチェ 2024年)を読んだ。
歴史の学習のはじめに必ず出てくるのが,古代の四大文明。ピラミッドで有名なナイル川流域のエジプト文明。ティグリス・ユーフラテス川流域のメソポタミア文明。大河の流域に発生した文明と何となく分ってはいても,詳しくは知らない。そんななかで,本村凌二氏の「地中海世界の歴史」シリーズの発刊を知った。「地中海世界」とは,文明発祥の地メソポタミアからローマ帝国の崩壊まで,多彩な文明が興亡した4000年にわたる歴史世界のことだそうだ。
メソポタミアの地にはシュメール人によるウル王朝ができ,ジックラトと呼ばれる神殿が作られたことや,バビロンのハンムラビ法典につながる最古の法典が作られていたことなどがくわしく述べられている。そして,ナイル川流域では,BC3000年頃のエジプト初期王朝時代から,BC1000年の第24王朝までの歴史が述べられている。ギザのピラミッドやツタンカアメン,ラメセス2世なども興味深い。
オリエントは,大きくいうとメソポタミアとエジプトという「肥沃な三日月地帯」と,その二つの地域にはさまれた古代シリアの二つに分けられる。その古代シリアで勢力を伸ばした民族に,ヘブライの民(ユダヤ人)とフェニキア人がいた。ヘブライの民は,エジプトに捕らわれ奴隷になっていたが,指導者モーゼのもと,「約束の地」カナンへ移り住み,やがてユダヤ教という一神教を生み出した。また,現在のイスラエルにあたる地域の沿岸部には海の民フェニキア人が海洋貿易で繁栄し,エジプトのヒエログリフを簡略化してアルファベットを開発したという。
読み応えのあるすごい本だった。私には難解で,1冊を読むのに一か月もかかった。全8巻だが,興味深い本だった。
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