地中海世界の歴史2/沈黙する神々の帝国
地中海世界の歴史2/沈黙する神々の帝国 アッシリアとペルシア(本村凌二著 講談社選書メチェ 2024年)を読んだ。一か月前に,地中海世界の歴史1/神々のささやく世界を読み,その続編。
前編・神々のささやきでは,BC5000からBC1000年ごろまでの,メソポタミア・エジプトの歴史がくわしく綴られている。そのころの人々には,「神々の声がささやく」とか「神々の姿が現れる」ということが,現実のごとく真に迫って感じられることだったという。
本編・沈黙する神々の帝国では,BC1000年ごろから,人々はそのような神々の「声」や「姿」を実感できなくなった。地中海世界では,「もはや『神々の沈黙』とでもいえるような現象が各地で見られるようになったという。また本書では,人類最大の発明として,アルファベットの発明,一神教・貨幣の誕生を,くわしく説明している。そして,BC1000からBC300年ごろに中東で興隆したアッシリア帝国とペルシア帝国について述べている。さらに,ユダヤ教の成立やギリシアの哲学者ソクラテス・プラトン,インドの仏陀,中国の孔子・孟子についても記述されていた。
この本も,かなり読み応えがあり,数行読んではうつらうつらという状況だったが,なんとか読み終えた。不勉強で,地中海世界については分らないことばかりだったが,少しずつ分ってきた。例えば中学校歴史教科書に出てくるアーリア人とは,BC2000年紀にカスピ海の北東方面からインドやイラン高原に移住してきた印欧語族で,インドでは先住民を征服しカースト制度を作り上げたが,イラン高原では先住民と同化していったという。
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