地中海世界の歴史4/辺境の王朝と英雄
地中海世界の歴史4/辺境の王朝と英雄 ヘレニズム文明(本村凌二著 講談社選書メチェ 2024年)を読んだ。
本編は主にBC300年前後のヘレニズム文明についての記述が中心。アレキサンドロス大王の東征の歴史がくわしく書かれ,興味深く読むことができた。
ギリシャの北にあるマケドニアは,アレクサンドロス大王の東征で有名だが,その礎は父王のフィリポス2世によってもたらされた。フィリポス2世は,マケドニア貴族からなる騎兵軍を組織し,軍を改革した。普通の槍の長さは2.5mほどだが,マケドニアの歩兵は長さ5.5mの長槍を持っていたという。フィリポス2世のマケドニア軍は,ギリシャを圧倒する。しかしフィリポス2世は,この世を去ることになった。
次のアレクサンドロスは,ペルシャ征服に乗りだした。アレクサンドロスは,敵の軍勢を研究しその勢力に応じた戦い方をした。戦いに勝った後,自軍の兵には十分な休養を与え,敗軍の将たちを丁重に扱う立派な大王であった。はるか東方インダス川まで進軍したのだからすごい。このマケドニア軍がもたらしたギリシャの文化が,ペルシャや西アジアの地に伝わりヘレニズム文化が生まれたという。筆者の本村氏は,ヘレニズム文明と言っている。
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