地中海世界の歴史5/勝利を愛する人々
地中海世界の歴史5/勝利を愛する人々 共和政ローマ(本村凌二著 講談社選書メチェ 2025年)を読んだ。95
本編はローマの建国から地中海沿岸を征服するまでの歴史が描かれている。特にカルタゴのハンニバルとの戦いについては,興味深く読むことができた。自分が少年のときに「ハンニバルの象使い」を読み,カルタゴってどんなところだろうと思ったことを思い出した。
紀元前600年頃ローマの地は,エリトリア人に支配されていたが,その後ローマ人の支配となり,前509年には王政を廃し共和政が施行されている。ローマの共和政は,元老院を構成する貴族と平民身分とで行われ,ギリシャ政治を学んで前405年には十二表法を制定している。当初は元老院中心の政治であったが,前367年には平民の政治参加が始まっている。
ローマはイタリア半島の統一後,地中海に進出しフェニキア人の国家カルタゴとの間で対立し,前264年にはサルディーニャ・コルシカ・シチリアを得ている。そして第二次ポエニ戦争では,ローマの頭領スキピオがカルタゴのハンニバルを破り,イベリア半島を属州にしている。第三次ポエニ戦争で,前146にカルタゴを滅ぼし属州アフリカ州を設置している。またこの頃マケドニアを属州とし,ローマは地中海沿岸を支配することになった。
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