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2025/03/11

「謝謝! 宮沢賢治」を読んだ。

Sheshemiyazawa3s

「謝謝! 宮沢賢治」(王敏 著 2006年朝日文庫=河出書房新社1996の再刊)を読んだ。かなり前に読み始めて,難しかったので放棄していたが,再チャレンジで読んだ。王敏(ワンミン)さんは,文化大革命後中国からの日本への留学生第一号。1954年生まれというから私と同年代の方。四川外国語学院大学院在学中に宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」の詩に出合い,「注文の多い料理店」の中国語訳を出版し,大学院修了後専任講師となった。文革後,大学教員から選出した国費留学生として宮城教育大学に留学し宮沢賢治の文学を研究。お茶の水女子大学で人文科学博士号を取得した。現在,法政大学名誉教授。

第四章 宮沢賢治の解読では,第一節「小さなこゝろの種子とは何か」で,種子は「仏性」,種子は「童心」,種子は「詩心」といっている。第二節「『雪渡り』の彼方」では,「雪への情景」,「森の和」「家の希望」を説いている。途中の説明では,中国の古代の詩を取り上げて,賢治の文学と比較しているが,中国の詩はさっぱり分らなかった。というより頭に入ってこなかった。王敏さんの奥の深い研究には脱帽する。日中友好の架け橋で,2016年に日本社会文化貢献賞、2023年に外務大臣表彰を受賞している。

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