「セツと八雲」を読んだ。
「セツと八雲」(小泉凡著:聞き手・木本健二 2025朝日新書)を読んだ102。セツは,小泉八雲の妻で,NHK朝ドラ「ばけばけ」の主人公松野トキのモデルだ。著者の小泉凡さんは,小泉八雲とセツのひ孫にあたり,小泉八雲記念館館長を務めている。この本は,朝日新聞の木本健二さんが,小泉八雲とセツを研究している小泉凡さんから聞き取ったもので,凡さんは「僕」として話している。
八雲の日本での第一作は,「知られぬ日本の面影」。松江の様子や,セツから聞いた言い伝えや怪談を含んでいる。凡さんによると,八雲は一旦この出版契約を破棄しようとしたが,セツが契約破棄の書簡を投函せず,トラブルを避けたとのことだ。
凡の名前は,マッカーサーの軍事秘書として来日したボナー・フェラーズからとったそうだ。フェラーズは昭和天皇を軍事裁判にかけるのを回避するようマッカーサーに働きかけた人物で,残されたセツや子のことを思いやり,亡き八雲の作品の出版にも尽力したそうだ。
八雲の長男一雄は,孫の名前をボナーからとって「凡」としたいとフェラーズに手紙を送ったそうだ。
これらのエピソードは,凡さんでなければ語られなかったと思う。たくさんある八雲関連の本から,この一冊を選んでよかった。
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