2025/03/19

「藍を継ぐ海」を読んだ

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「藍を継ぐ海」(伊与原新 新潮社2024刊)を電子書籍版で読んだ。伊与原新さんの本は,「オオルリ流星群」に次いで2作目。
この「藍を継ぐ海」は,第172回の直木賞受賞作。「夢化けの島」「狼犬ダイアリー」「祈りの破片」「星隕つ駅逓」「藍を継ぐ海」の短編5作品が収録されている。どれも面白く,どんどん読み進むことができた。

「夢化けの島」は,萩市の見島が舞台。見島の地質を研究する主人公と萩焼の見島土を求める陶芸家の物語。主人公の研究者は,論文が評価されず科研費も得ることができないという助教という立場。大学の研究室を知る伊与原さんだからこその設定。興味深い。見島土を検索したら,萩ジオパークのHPにたどり着き,よい勉強になった。

「狼犬ダイアリー」は奈良県東吉野村で,ニホンオオカミと紀州犬の血が混じった狼犬ロマン。「祈りの破片」は,長崎で原爆が落ちた後,浦上天主堂の残がいを集めた学者の話。「星隕つ駅逓」は,北海道遠軽町に隕石が落ちたという話。そして,「藍を継ぐ海」は,徳島県の海岸でのアカウミガメ産卵の話。日本各地を取材して,ステキな作品を創りあげている。

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2025/03/11

「謝謝! 宮沢賢治」を読んだ。

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「謝謝! 宮沢賢治」(王敏 著 2006年朝日文庫=河出書房新社1996の再刊)を読んだ。かなり前に読み始めて,難しかったので放棄していたが,再チャレンジで読んだ。王敏(ワンミン)さんは,文化大革命後中国からの日本への留学生第一号。1954年生まれというから私と同年代の方。四川外国語学院大学院在学中に宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」の詩に出合い,「注文の多い料理店」の中国語訳を出版し,大学院修了後専任講師となった。文革後,大学教員から選出した国費留学生として宮城教育大学に留学し宮沢賢治の文学を研究。お茶の水女子大学で人文科学博士号を取得した。現在,法政大学名誉教授。

第四章 宮沢賢治の解読では,第一節「小さなこゝろの種子とは何か」で,種子は「仏性」,種子は「童心」,種子は「詩心」といっている。第二節「『雪渡り』の彼方」では,「雪への情景」,「森の和」「家の希望」を説いている。途中の説明では,中国の古代の詩を取り上げて,賢治の文学と比較しているが,中国の詩はさっぱり分らなかった。というより頭に入ってこなかった。王敏さんの奥の深い研究には脱帽する。日中友好の架け橋で,2016年に日本社会文化貢献賞、2023年に外務大臣表彰を受賞している。

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2024/12/24

資料展「蔦屋重三郎と東三河の読書熱」

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豊橋市中央図書館に行き,資料展「蔦屋重三郎と東三河の読書熱」を観てきた。蔦屋重三郎は,2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう」から蔦重栄華乃夢噺~」の主人公。
蔦屋重三郎は,1750(寛延3)年,江戸吉原に生まれる。1757(宝暦7)年,新吉原蔦屋の養子となり,1772(安永元)年に書店耕書堂を開いている。この年田沼意次が老中となり,経済が活発となり,大衆文化が発展したころのこと。この資料展のパンフレットには「斬新な黄表紙,狂歌絵本,浮世絵を次々と出版して江戸を代表する版元となっていく様子を紹介」とある。

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資料展では,江戸時代の出版の概要も紹介している。
江戸時代の版元須原屋市兵衛は,杉田玄白の『解体新書』【1774(安永3)年】を手がけている。これは,羽田八幡宮文庫旧蔵資料(愛知県文化財)豊橋市中央図書館蔵。羽田八幡宮文庫は,羽田八幡宮の羽田野敬雄が中心となって設立した文庫だが,この文庫に「解体新書」があったなんて驚き。

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2024/11/28

第27回ゆかいな仲間達写真展

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Netの友人michiさんのお誘いを受け,第27回ゆかいな仲間達写真展に行ってきた。会場は,豊川市国府町のCafe Gallery 栄知村(えじそん)。michiさんの作品は,道端のひまわりの前でバイクを写した1枚。michiさんはバイクを3台お持ちで,常に愛情を持って整備しつつ,ツーリングを楽しんでみえる。愛車カワサキA1もきれいなひまわりの前でうれしそう。
久しぶりにmichiさんとおしゃべりして,楽しかった。
2年前の「第2回バイク・ソロツーリストの写真展」の記事。

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2024/11/09

豊橋市二川宿本陣資料館,再始動記念

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11月3日から豊橋市二川宿本陣資料館がリニューアルオープンし,「再始動記念展〜東海道の描きかた〜」を行っている。この企画展は,写真撮影OK。東海道図屏風はじめ,洛中洛外図屏風,東海道西海道図巻などが展示されている。(上の写真は常設展示)

リニューアルオープンといっても,トイレの設備を新しくし,エレベーターを設置したもの。さっそく,トイレとエレベーターを利用。エレベーターで2階へ。2階へは久しぶりに行ったが,伊勢や日光,金比羅詣での道中の展示が,自分にとって目新しかった。

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ほんじんこうざ特別編「古代中世の神坂峠越え」・阿智村教育委員会の中里信之氏の講演を聴いてきた。

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2024/08/07

碧南市藤井達吉現代美術館

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碧南市藤井達吉現代美術館へ行ってきた。この美術館は,碧南市出身の美術工芸家藤井達吉の作品を中心に所蔵する美術館で,町並みに映えるガラス張りのモダンな外観に特徴がある。2023年5月2日にリニューアルオープンしている。

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企画展「松本竣介『街』と昭和モダン -糖業協会と大川美術館のコレクションによる-」を開催中。この絵は,松本俊介『街』1938年8公益財団法人大川美術館蔵)で,唯一写真撮影可であった。個人的には,松田文雄『小春日和』1946年(公益財団法糖業協会蔵)の少女と赤ちゃんの顔がよかった。

 

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2024/07/05

戸定邸(旧徳川家住宅松戸戸定邸)へ行ってきた。

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6月29日(土)に,松戸市の戸定邸(旧徳川家住宅松戸戸定邸)に行ってきた。戸定亭は,水戸徳川家の当主徳川昭武が邸宅を構えたところ。徳川昭武は,15代将軍徳川慶喜の弟で,慶喜の名代としてパリ万博へ行ったことで知られる。幻の16代将軍と言われる。
このパリ万博使節団には,渋沢栄一も同行している。ちょうど渋沢栄一の新一万円札が発行されたところ。

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戸定亭見学の前に,松戸市戸定歴史館を見学した。ちょうど,「戸定だよりー絵葉書から見る暮らし」という展示会を開催中だった。徳川昭武やその親族が送った絵はがきが多数展示されていた。昭武は写真が趣味で,写した写真を絵はがきにして送っていたという。ずいぶん筆まめ。歴史館では,もっと徳川昭武の人生や業績についての展示が見たかった。
写真は,歴史公園から見た戸定亭。

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2024/06/08

地域交流牛川演奏会

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地域交流牛川演奏会があった。社会科教育委員会の主催。演奏会では桜丘高校和太鼓部の演奏と,和太鼓体験があった。
総勢80名からなる和太鼓の演奏は全部で5曲,とても迫力があった。演奏者の笑顔が印象に残る。
桜丘高校は牛川の地にあり,自転車通学する生徒や1km公園でランニングする部活動の生徒をよく見る。
頑張ってほしいものだ。

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この会の司会は,吉本興業の豊橋市住みます芸人のブロードキャスト!!吉村氏。楽しいひとときとなった。

 

 

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2024/03/25

第15回復活寄席

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令和5年3月24日,愛知産業大学工業高校・橘座で,~元先生たちの落語会~第15回復活寄席が行われた。愛狂亭駄楽,光家鶴太,光家細鶴,三師匠の話芸は健在で,楽しいひとときをいただいた。鶴太さんには,地域の行事でも口演をしていただいている。
愛知産業大学工業高校は,今春から男女共学の名古屋たちばな高校と校名変更をするそうだ。今後の名古屋たちばな高校の活躍も楽しみ。

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この日は,名古屋市科学館で特別展「海」を見学後,雨のなか大須を通って,橘座,地下鉄東別院駅へと歩いた。大須で脇道を歩いていると「那古野山古墳(なごややまこふん)」があった。五世紀中頃の前方後円墳という。新発見。寒かったが,街歩きは楽しい。東別院前の舗道の桜もチラホラ咲き始めた。

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2024/03/05

豊橋美術博物館リニューアルオープン

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改修のため,約2年半休館していた豊橋美術博物館が,3月1日にリニューアルオープンした。つなぐミュージアムとして,「人と時をつなぐ」「人と文化をつなぐ」「人と人をつなぐ」の3つの方向性をめざすという。
2階の「豊橋の歴史」に関する展示は,大幅に改善し,原始から,古代・中世・近世・現代の歴史を18のテーマに沿って,通史的に学べるようになった。今回,時間の都合でゆっくり見ることができなかったので,また来たいと思う。写真は東観音寺の絵図。

1階の展示室では,リニューアルオープンの記念展で,「ブルターニュの光と風 画家が憧れたフランスの異郷」をやっていた。

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